MUSEUM INDEX
MUSE de TURTESE


 

|タイトル|1.亀|2.カメ(爬虫類〔形態〕)|3.亀〔形態〕|4.亀〔分類〕|

|5.亀〔寿命〕|6.亀〔生理,生態〕|7.亀〔人との関係〕|

 

1.亀
特殊な構造の甲をもつカメ目Testudinesに含まれる爬虫類の総称。カメ類は爬虫類仲間で形態、生態ともにユニークな存在で、一般にもなじみが深く、多くの種類が公園の池や家庭で飼育されている。体のつくりは、カメの祖先型の三畳紀中〜後期に生息していたプロガノケリス類Proganochelys(サンジョウキガメ)から現在に至るまで、ほとんど変化が見られない。大半が水陸両生で一部が陸生および海生。大部分は甲長15〜30cmくらいの小型で、約230種が極地を除く各大陸の熱帯、亜熱帯、温帯に広く分布する。日本には陸に6種,沿岸の海域に5種が生息するが、ほかにペットとして飼われていたアメリカ産アカミミガメ類が脱出して定着したものもある。英名ではおもに海産と少数の川に産する大型のものをturtle、陸産のものをtortoiseと呼ぶが、アメリカでは広くカメ類をturtleとすることが多い。

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2.カメ(爬虫類〔形態〕)
体表はうろこまたは角質の皮膚に覆われて羽毛や毛を生ぜず、分泌腺が乏しくて乾いている。うろこは表皮の表層が厚くなって角質化したもので、さらに真皮中に生じた骨質の皮骨で、全身または一部が覆われるものも少なくない。成長に伴って脱皮し、ヘビでは全身の角質表皮が一度に、トカゲでは部分的に切片となって脱落し、カメや▽ワニでは表皮の消耗として徐々に行われる。カメレオンをはじめ樹上生トカゲ類には,真皮内の色素胞,とくに黒色素胞の収縮拡張によって体色変化するものが多い。 骨格は両生類に比べより硬骨化して,高等脊椎動物としての特徴を備え,頭骨は1個の後頭顆<こうとうか>で,頚椎と関節するため,頭部はかなり自由に動かせる。頭骨の構造は後述するように分類上重要な要素で,とくに頭蓋後方に開口する側頭窓<そくとうそう>(側頭窩<そくとうか>temporalfenestraの数や位置が問題にされる。頭骨はカメやワニでは頑丈な箱型で、方骨<ほうこつ>が頭蓋に固着するため,大きく口を開くことができない。ムカシトカゲ,トカゲ、ヘビでは頭骨は多数の薄い層から成り、一部が緩く関節しており、とくにメクラヘビ類を除くヘビの下あごは、上側頭骨、方骨を介して頭蓋に緩く関節するため、大きく口を開けることができる。またトカゲでは左右の下顎骨<かがくこつ>が前端の縫合部で結合し固着するが、ヘビでは靱帯組織で結合し、下顎骨を左右別々に下げることができる。カメ以外では原則として上下両あごに歯を備え、有鱗目では多くが側生であるが、一部には頂生および槽生に近いものがあり、ワニでは槽生となっている。 脊柱は多数の脊椎骨の集合によって形成され、多いものはヘビの200〜400個ほど。頚椎を除き各脊椎骨には1対の肋骨があって、ヘビ、カメ以外では胸骨に接合して胸郭を形成し、ムカシトカゲ、ワニでは腹部に軟骨性の腹肋骨を備える。原則として四肢が発達し、それぞれ肩帯と腰帯によって支えられるが、ヘビとトカゲの一部では四肢が退化し、ヘビでは肩帯が完全に消失し、腰帯と後肢の痕跡が少数の科に見られるにすぎない。指は前後肢ともに5本であるが、ワニの後肢は4本で、あしゆびの間には水かきが発達する。また一部のトカゲでは1〜3本の少数またはひれ状となり、ウミガメ・スッポン類では四肢がひれ状となってあしゆびが明瞭でない。 カメ以外では移動は原則としてはって行い、体を左右に波動させて前進する。四肢を欠くヘビでは完全な蛇行運動を行うが、トカゲ類でとくに四肢の発達したものは体を持ち上げて走り、後肢だけでとび跳ねるように走るものもある。またヤモリ類やアノールではあしゆびの腹面が吸盤状の指下板となっている。

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3.亀〔形態〕
 カメ類の頭骨は堅固で、少数の骨で構成されている。上下顎<じようかがく>には歯がなく、スッポン類以外では角質の鞘に覆われるが、プロガノケリスなど古い時代の化石種には、口蓋部に歯があった。体は背甲と腹甲とが結合した箱型構造の堅固な甲に囲まれ、休眠のときや驚いたとき頭頚<とうけい>部、四肢および尾部を甲内に引っこめて守るが、ウミガメ、オオアタマガメなどのように完全には収納できない種類もある。甲は真皮が骨質化した骨板(皮骨板)と一部の骨格とが結合してできたもので、背甲では脊椎骨と扁平に変形した肋骨、腹甲では鎖骨と間鎖骨とが結合している。背甲は中央部が盛り上がり、両側縁部が下方にのびた橋(ブリッジ)と呼ぶ部分によって腹甲と結合している。橋は水生種など種類により幅の狭いものがある。 甲の表面は角質の甲板(鱗板)で覆われるが、スッポンや▽オサガメの成体のように二次的に退化して鱗板を欠く種類もある。また、ハコガメ、ドロガメなどのように腹甲の中央部が蝶番状になって靱帯で可動的につながるものがあり、腹甲の前後の部分をもち上げて、甲の隙間を完全にふたすることができる。四肢にはおのおの5本の指があり、指先に堅いつめを備え、水生種では指間に水かきが発達する。海生種では前肢が櫂<かい>状、後肢がひれ状に変形し、指趾<しし>の分岐は外から認められず、オサガメではつめがまったく退化している。

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4.亀〔分類〕
 現生のカメ類は頭頚部の引っこめ方によって曲頚類Pleurodiraと潜頚類Cryptodiraの2群に大別されている。 曲頚類は頚部を水平方向に曲げ甲の間に隠すが、曲げた頭頚部は完全には隠されず、頭部が外から見える。大部分はまったくの水生で、扁平な甲と極端に細長い頚部をもつが、頚部がそれほど長くない種類もある(ヌマガメモドキ類など)。曲頚類はアフリカ、南アメリカ、オーストラリアに約48種が分布し、ヨコクビガメ科Pelomedusidae(30種)と、ヘビクビガメ科Chelidae(18種)の2科に分けられ、前者は頚部を少し引き入れてから横に曲げる。 潜頚類はヌマガメ類などカメの大部分を含むグループで、頭頚部を垂直方向にS字状に曲げて甲内に引っこめる。オセアニアを除く世界中に182種ほどが分布し、9〜10科に分類されている。中央アメリカ産のカワガメDermatemys mawiは甲長約60cm,1種で1科を形成するが,原始的な種類で,ヌマガメ類の祖先型と考えられている。ヌマガメ科Emydidaeはイシガメ、アカミミガメなどもっともふつうな種類を含む大きなグループで、約87種がオーストラリアとアフリカの一部を除く世界の各地に広く分布する。まったくの陸生である、リクガメ科Testudinidae(約46種)はドーム状の堅固な甲をもち、堅い皮骨板で覆われた桂状の太い四肢で支えられる。陸生ガメの最大種である、ゾウガメ類など大型種や、ホウシャガメなど甲に美しい模様をもつものが多い。水底で生活するスッポン科Trionychidae(約23種)や,海洋生活を営むウミガメ科Cheloniidae(6種)およびオサガメ科Dermatemyidae(1種)は、それぞれ生息環境に適応して、甲や四肢などが形態的に特殊化している。

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5.亀〔寿命〕
〈鶴は千年、亀は万年〉といわれるが、一般には30〜50年のものが多い。飼育記録としてはアルダブラゾウガメの152年(推定180歳)、カロライナハコガメの138年、ヨーロッパヌマガメの120年以上というのが知られている。

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6.亀〔生理,生態〕
 カメが消極的ともいえる自衛手段しかもたないのに、長い時代を生き抜いてきた理由としては、何よりも堅固な甲の存在があげられよう。その代り体制上や生理的にもかなり無理を生じ、例えば呼吸法も複雑となっている。呼吸は腹腔の前後にある筋肉の作用で体腔内の圧力を増減し、肺の容積を変える方法と、肺を覆う筋肉の鞘がふいごのように働いて、肺の容積を変える方法とが知られている。ほとんど池沼や流れの緩やかな河川の水底で生活するスッポン、カミツキガメ類のような水生種は、水面への“鼻上げ”による肺呼吸のほか、補助的に皮膚呼吸を行う。水中でのガス交換は、咽喉<いんこう>部と総排出腔にある副膀胱(盲嚢)内壁の毛細血管が密に分布する部分で行われる。ヌマガメ類など水陸両生種でも、水中で長く行動する場合は皮膚呼吸を行い、冬眠を行う種類は期間中もっぱらこれにより酸素を得ている。一般に行動ののろいカメ類では酸素消費量が少なく,呼吸は緩慢で,とくに冬眠中は著しく代謝が低下する。感覚器官では視覚が発達し嗅覚<きゆうかく>も鋭敏であるが聴覚はにぶい。餌は雑食性で、水生種は魚、甲殻類、昆虫などの動物質、陸生種では若芽、果実など植物質が主食。  カメ類の総排出腔は体軸に平行して開口し、陰茎は二分しない。すべて卵生で、水生種および海生種も水中で交尾し、産卵は陸で行う。雌は水辺の湿った土に後肢で浅い穴を掘り、10〜50個ほどを産卵するが、アナホリガメ属Gopherusは砂漠に数mの深い穴を掘って産卵する。ウミガメ類は海岸の砂地に前・後肢を用いて穴を掘り、多いものは1回に200個ほどを産卵する。すべて2〜3ヵ月で孵化<ふか>するが、卵のまま越冬するものもある。孵化直前の胚には吻部<ふんぶ>に卵嘴<らんし>を生じ、これで卵殻を破って孵化し、自力で巣穴からはい出す。ウミガメはくずれやすい砂地の穴から出るため、すべての子ガメが一つの集団となってはい上がってくる。 温帯地方では冬季は冬眠を行い、熱帯地方では乾季に水がかれると泥中で夏眠するものもある。また砂漠にすむものは砂中に深い穴を掘って、休眠や産卵の場とする。堅い甲に守られたカメ類には天敵が比較的少ないが、幼体の多くが肉食性鳥類や哺乳類に捕食され、成体でもワニに丸のみされることがある。三畳紀の化石種プロガノケリスは,頭部と四肢を甲内に引っこめることができなかった。現生種でも原始的な系統である曲頚類は,頭部を完全に隠すことができない。 しかし、これら水生種にとって天敵の少ない水中はあまり危険でなく,腹甲も退化して小さく軽くなっている。アメリカ産ニオイガメ類Sternotherusやドロ ガメ類Kinosternonも腹甲の小さい仲間で,代りに四肢が発達して遊泳力が優れている。そしてちょうつがい状の腹甲をもち上げて,甲の隙間をぴったり閉じ ることもできる。腹甲がちょうつがい状になっているものには北アメリカ産ハコガメ類Terrーapeneや南アジア産アジアハコガメ類Cuoraがあり,八重山産 セマルハコガメC.flavomarginataもその一種である。アフリカ産セオリガメ類Kinixysは腹甲ではなく背甲の後部寄りの1ヵ所がちょうつがい状 となり,折れ曲がって甲の後方の隙間にふたをする。そして前方の隙間は堅い前肢でふさぐが,リクガメ類のすべては甲の隙間を皮骨板で覆われた柱状の四肢でふさぐ。 東南アジア産トゲヤマガメHeosーemys spinosaの背甲は側縁部が鋭い棘状<きよくじよう>をしており,自衛に役だつが,アフリカ産パンケーキガメM alacochersus tornieriは,危険になると岩の隙間に隠れて甲を膨らませ,敵に引き出されるのを防ぐ。

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7.亀〔人との関係〕
 カメ類は爬虫類の中では一般にもっとも親しまれ,多くの種類がペットとして飼育 される。日本でも古くからニホンイシガメ(子ガメはゼニガメ)やクサガメが公園や寺社の池をはじめ一般家庭で飼育され,近ごろではミドリガメの総称で人気のあるニ シキガメ類Chrysemysやハコガメ類など外国産カメ類も,家庭で飼育されるようになった。淡水カメ類の飼育は,水槽内に水場と陸を設け,水深は甲羅が完全に 隠れ,水底から楽にくびをのばして呼吸できる程度とする。水温は25〜30℃が適温で,とくに子ガメの間は少なくとも毎日1時間ほど日光浴が必要。餌は魚の白身, 煮干し,レバー,野菜,果物,市販のペレットなどを混ぜて毎日一度与える。冬眠は水温5〜8℃ほどを保てる水中でさせるが,野外の池でも水深があれば水底の泥や落 葉の中に潜る。陸ガメには土を入れて少し湿らせ,安定した水鉢を置く。熱帯産の種類には冬季の暖房が必要。カメとその卵は世界の各地で食用に供されるが,日本では スッポンが高級料理として珍重される。北アメリカ産キスイガメMalaclemys terrapinや▽アオウミガメも賞味されるが,熱帯地方では各種のカメ, とくに海ガメ類の肉と卵が食用に供される。また工芸品として▽タイマイの甲板がべっこう細工として櫛<くし>や笄<こうがい>に用いられ,タイマイ,アオウミガメ は剥製や革細工の材料として大量に捕獲されてきた。現在ではウミガメ類やリクガメ類などが〈ワシントン条約〉の適用を受け,保護の対象となっている。また日本を含 む各国の政府機関や民間団体でウミガメの保護増殖やスッポンの養殖事業が実施され,個体数の回復が試みられている。

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