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インプリメリエ ディデェ・ケベコール社の工場では、工場敷地35ヘクタール、建物8ヘクタールという広大さ。同工場の売上の15〜20%が、外国のクライアントとの取引である。同社はディデェ・ケベコール社は1970年創業、世界に90社を擁するグループ企業で、フランス国内に4カ所の印刷工場を持っており、同業者の話では、国内市場の30%を制しているという。工場は89年から操業、オフセット印刷とグラビア印刷のプレスオンリーを行っている。従業員は650人。設備は、印刷機はオフセット輪転機8台、グラビア輪転機3台、そして殖版機メソメックス11台を保有する。1週間にオフセットは2500版、グラビアは250〜260本のシリンダーを使う。使用紙はオフセット、グラビアあわせて1週間に4000〜5000本。売上は印刷のみで7億5000万フラン、その他サービスを合めると10億フラン(約237億円)である。印刷物は、女性ファッション主体の雑誌がもっとも多く、ほかに通販カタログ、大型店舖のチラシなど。受注形態はフィルム。 同工場の特徴は、刷り専門であることのほか、ほとんどの作業・工程がオートメーション化されていることである。至るところでセンサーが動作しているため、写真撮影は原則禁止。たとえば用紙倉庫は広大だが、倉庫内に人影はない。ロールの最大幅は1.7メートル、1.5メートル。倉庫内でロールが4、5本たてに積み上げられている。ロールにはバーコードが付けられていて、入庫から出庫、さらに印刷機にセットされるまで、すべてが自動化されている。用紙の年間使用量は25万トン。カナダ、ブラジル、欧州諸国製のものを、オフセット印刷では新聞更からアート紙まで600種類も使っているという。オフ輪部門では、機付け人員は最低4人。版替え時間は45分、同幅なら30分。インキ調整は自動である。工場内では搬送ロボットや天井の搬送システムが動き回る。折丁はパレットに積まれるかコンベヤーに巻き取られる。いったん巻き取られた折丁は外され3面カットされてから結束、出荷される。 フィルムで受注したデータはデジタルデータに変換し、電子グラビア彫刻機へ伝送される。データを読み込んだ彫刻機がヘッドでシリンダーに直接彫刻していく。 フィルムを使用せずデジタルデータを直接彫刻するシステムはデータの劣化を防ぐほか、工程の簡素化、作業人員の削滅、材料費の軽滅などのメリットがある。刷版コスト、準備時間の長さなどオフ輪に対する弱点は、電子彫刻システムや版胴の自動交換装置の進歩などで改善されつつあり、その高生産性と紙質を選ばない印刷特性からオフ輪市場との競合は激しくなりそうだ。

'96愛知印刷文化典/印刷展