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ビクトリープリンテクス社(カリフォルニア州エルモント)は、台湾出身の林恩伍氏が経営する、従業員30人の印刷会社。低コスト・短納期のサービス第一主義で業績を伸ばしている会社で、1993年暮れに2色機1台で創業し、現在はアキヤマ製菊半裁判6色機コーター付(96年2月導入)/同菊半裁判4色機/リョービ製4裁判3302.3200型の計4台の印刷機を週6日間フル稼働させている。「仕事があれば日曜日も回す」とのがんばりぶりで、94年度の売上高1.5億円を、95年度には3億円に倍増させている。96年度は5.5億円が目標。小回りの効いた営業戦略を武器に、ロサンゼルス〜サンディエゴ地区に約3700社ある同業者との熾烈な競争を続ける同社。林氏の経験で得た生身の経営哲学、生業に挺身する懸命さに、米国業界の違った現実を見た。 「どんなに厳しい納期であっても自社の都合は後回し。サービスできなければ米国では生き残れない。設備には頼らない」などと林氏の言葉はやや過激だが、根底には「印刷業はサービス業にほかならない。ならば基本はサービスである」との明快な考えがある。 「この商売の利点は、一緒にRUSH(急ぐ・急がせる)できること」。近所のカラーハウスや刷版業者とのチームワークで短納期ニーズに対応し、さらに製作コスト削減と利益率アップに努力している。小〜中ロット・4〜6色高級カラーものへの特化を考えており、直しの問題からか「とくにデザイナー経由の仕事がよい」と語る。小ロットの単色ものと大サイズの仕事はほとんど外注。工場操業特間は、2交替制ながら週120時間以上。目下の悩みは、校正料金のチャージ。「米国では通常5度のプレスチェックで45分。2〜3回目でチャージ(時間当たり300ドル)したいが、サービスとの兼ね合いが難しい」とのこと。客層が多国籍に及ぶことでも、言語表記をはじめ色表現の相互理解など、苦労が多い。同社は工場拡張を来年に予定しており、「拡張後は従業員の作業環境を改善し、用紙・刷本倉庫なども統合する」とのこと。今回の各訪問会社でよく語られた言葉にQualityとServiceがあった。良い製品を顧客に提供することもサービスではあるが、これは当たり前。林さんが売上倍増を果たしたのは、地域の必要性にマッチしたサービスを提供したからにほかならない。2交替の業務提供は顧客にとっては大きなメリットである。労働者は印刷業界の残業慣習から脱して定時退社が可能となり事業主は設備の遊休時間の短縮による生産効率増となる。
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